突然シンデレラ~王子様は実在しました~
「フッ」
 
 雪哉さんが軽く吹き出して笑った瞬間、蘭々は勝ち誇ったような笑みを私に向けているが、どう見ても嘲笑ったようにしか見えない。何でも自分の都合のいいように解釈するところは、ちっとも成長していないのだ。

「おい、腹黒女」
「へ⁉ まさか私のこと?」
「他に誰がいる?」
「腹黒なんて失礼です!」
「だってそうだろう? どうせプロフィールの年齢と容姿欄を見て、バカにして姉に押しつけたんだろう?」
「なっ!」
「今まで散々、俺のルックスと財産目当ての女に出会ってきたからな。顔を見ただけで見分けられる。まさか、式が終わって披露宴の前に代われなんて言うほど、常識がないとまでは予想できなかった」
「酷い! 私の何を知っているって言うんですか?」
「すでに調べさせてもらってる。今までの数々の行いも、しっかりと調査書に載っていたから、今更取り繕っても無駄だぞ」
「ふん、希々と結婚したら後悔しますよ!」
「するわけないだろう? 俺が自らこの結婚を望んだのだから」
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