突然シンデレラ~王子様は実在しました~
「ええっ」
「希々には、後で話をするつもりだったんだが、この女のせいで予定が狂った。でも、俺が希々に惚れてるのは確かだ」
「私達、お会いしたことありましたか?」
「まだ気づいていないみたいだな。いつも、カフェでココアを頼んでいる男が、記憶に残っていないか?」
「ココアって、ウダさん?」

 雪哉さんに深めの帽子をかぶらせて、メガネを掛けたところを想像すると、確かにカフェの常連客のウダさんになる。スマホで注文するときに、呼びやすいようにあだ名を登録してもらっているけれど、まさか宇田川のウダさんだったとは……

 常連客の中でも謎の多いイケメンが、まさかの宇田川商事の王子様だったことに驚きだ。

「何よ! 二人は元々知り合いだったの? 二人で私をバカにしてたのね」
「おいおい、相手にされないと悟った瞬間に、被害妄想を繰り広げるのは止めてもらえるかな。ちゃんと聞いていたか? 俺が一方的に希々を知っていただけだと、今の会話でわかったはずだが?」
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