突然シンデレラ~王子様は実在しました~
「フンッ」
これ以上何を言っても自分の思い通りにならないのだと、やっと気づいた蘭々が控室から出て行く。
「すみません」
「すまない」
お互いに謝罪の言葉が口から出て、思わず笑ってしまった。
「今から披露宴だから、後からきちんと話をしよう」
「はい」
「強引な縁談で申し訳なかったが、俺が希々に惚れているのだけはわかってほしい」
「はい」
縁談が決まってから、不安だった気持ちが一瞬で吹き飛ぶ。ウダさんは、謎が多いけれど紳士的で好印象しかないのだ。
「幸せな俺達を、見せつけてやろうじゃないか!」
「フフッ、はい」
「やっと笑ったな」
確かに緊張でずっと顔が強張っていた。
「ウダさんのお陰です」
「ウダさんは卒業だ。名前で呼んでくれ」
「雪哉さん」
「やっと手に入れた」
この後の披露宴で、私達の距離が縮まっていて、周囲を驚かせたに違いない。蘭々と母の、苦虫を嚙み潰したような表情が見物だった。
ここから私のシンデレラストーリーが始まるーー
これ以上何を言っても自分の思い通りにならないのだと、やっと気づいた蘭々が控室から出て行く。
「すみません」
「すまない」
お互いに謝罪の言葉が口から出て、思わず笑ってしまった。
「今から披露宴だから、後からきちんと話をしよう」
「はい」
「強引な縁談で申し訳なかったが、俺が希々に惚れているのだけはわかってほしい」
「はい」
縁談が決まってから、不安だった気持ちが一瞬で吹き飛ぶ。ウダさんは、謎が多いけれど紳士的で好印象しかないのだ。
「幸せな俺達を、見せつけてやろうじゃないか!」
「フフッ、はい」
「やっと笑ったな」
確かに緊張でずっと顔が強張っていた。
「ウダさんのお陰です」
「ウダさんは卒業だ。名前で呼んでくれ」
「雪哉さん」
「やっと手に入れた」
この後の披露宴で、私達の距離が縮まっていて、周囲を驚かせたに違いない。蘭々と母の、苦虫を嚙み潰したような表情が見物だった。
ここから私のシンデレラストーリーが始まるーー