突然シンデレラ~王子様は実在しました~
「なっ、その言い方はいくらなんでも失礼じゃないですか!」
「こら、止めなさい」

 雪哉さんの言葉に、我慢できなかった母が口を開くも、父が止めに入っている。

「だって、あなたも聞いたでしょう?」
「失礼なのは、お宅の娘でしょう? 披露宴前に希々へ何て言っていたか知らないでしょう?」
「蘭々が何か失礼なことを?」
「希々さんに結婚を代わってくれと詰め寄ってましたよ。挙句の果てに、双子なんだらか代わってもわからないって、俺をバカにしているとしか思えない」
「なっ⁉ すみません」

 ガバッと素直に頭を下げた父と、隣では娘がそんな発言をするはずがないと、雪哉さんを睨みつけている母。自分の母親ながら、恥ずかしくなる。

 親として、娘の何を見てそこまで信用することができるのだろうか。確かに蘭々は、母の前ではいい子かもしれないけれど、ここまで騙されていると呆れを通り越して、可哀想になってきた。

「希々さんのことは、俺が一生大切にしますのでご安心ください」
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