突然シンデレラ~王子様は実在しました~
 雪哉さんからの宣言に、もうこれ以上言うことはないとばかりに、両親は帰って行った。

「なんか、母がすみません」
「いや、こちらこそ、後味の悪い挨拶になってしまって申し訳ない」
「とんでもない。母とは一生分かり合えないんだと思います。私をあの家から助け出してくれた雪哉さんには、本当に感謝しているんです」
「ああ、多少は理解しているつもりだ。今までの辛さをどうすることもできないが、これからは辛さを忘れるくらいに幸せにしてやるから、覚悟しとけよ!」

 俺様な言葉も、雪哉さんが言うと違和感がない。

 私の今までの虐げられた人生は、雪哉さんに出会うためのステップだと思えば、ちっぽけなことに思えた。蘭々と比較される人生が幕を下ろして、本当のシンデレラとして羽ばたく。

「さあ、俺達の城へ帰ろうか」
「雪哉さんが言うと、本当のお城に住んでそうです」
「ハハッ、マンションで申し訳ないが、希々と一緒ならどこでも城に思えてくる」
「私も」
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