突然シンデレラ~王子様は実在しました~
 戸惑うしかできない私に、優しく問いかけてくれる。

「一生大切にするから、俺に身を委ねてくれないか?」

 高級ホテルのスイートルームで、まるでプロポーズのような言葉を言われて無意識に頷いていた。その瞬間、私と雪哉さんの距離がゼロになり、唇には柔らかいものが触れる。

「んんっ……」

 思わず漏れた吐息を合図に、雪哉さんの舌が私の口内へ入り込んで刺激してくる。今までで一番激しいキスに、息をするのがやっとで、足の力が抜けてしまった。

「危ない」

 こける寸前で、雪哉さんの腕に抱きしめられる。そのまま、なんとお姫様抱っこをされたのだ。突然身体が浮いて、抱き上げられたまま一直線にどこかへ向かっている。

「え? ええ?」

 混乱する私をよそに、寝室の特大サイズのベッドの上に降ろされて、王子様の顔が目の前に迫っていた。

「雪哉さん!」

 思わず声を上げた私の口を塞ぐように、唇が重なる。

 誰にも触れられたことのない身体を、雪哉さんの手が這いまわり、私を翻弄していく。
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