突然シンデレラ~王子様は実在しました~
なんと宇田川家の息子との縁談を打診されたらしい。
クビから一転、宇田川家と親戚になるチャンスが舞い込んでくるなんて、父は今にも踊り出しそうな勢いだ。
母と蘭々も、うちとは比べものにならないセレブな宇田川家なら、喜んで飛びつく縁談話だったのだがーー
写真のない簡単なプロフィールには、宇田川雪哉40歳、副社長。ぽっちゃり癒し系と書かれていたのだ。
ふざけているとしか思えないプロフィールに、私は笑いを堪えるのに精一杯。ところが、蘭々が怒り出した。
「私は嫌よ! どんなにセレブでも、見た目も重要だわ。四十歳って私の年齢の倍よ! そんなオジサンとは結婚したくないし、ぽっちゃりって……。希々に譲るわ」
「はい?」
突然、結婚話が私に回ってきた。蘭々が嫌なら、私も嫌に決まっている。相手の年齢や体型よりも、私の場合はやりたい仕事があるのだ。
ところがーー
「わかった。先方には、姉の希々がお受けすると伝えておく」
「希々、良かったわね~」
良かったわねと言いながらも、母の顔は拒否するなよと言っている。
こうして、相手の顔も知らないまま、数ヶ月後に結婚式を迎えたのだ。
クビから一転、宇田川家と親戚になるチャンスが舞い込んでくるなんて、父は今にも踊り出しそうな勢いだ。
母と蘭々も、うちとは比べものにならないセレブな宇田川家なら、喜んで飛びつく縁談話だったのだがーー
写真のない簡単なプロフィールには、宇田川雪哉40歳、副社長。ぽっちゃり癒し系と書かれていたのだ。
ふざけているとしか思えないプロフィールに、私は笑いを堪えるのに精一杯。ところが、蘭々が怒り出した。
「私は嫌よ! どんなにセレブでも、見た目も重要だわ。四十歳って私の年齢の倍よ! そんなオジサンとは結婚したくないし、ぽっちゃりって……。希々に譲るわ」
「はい?」
突然、結婚話が私に回ってきた。蘭々が嫌なら、私も嫌に決まっている。相手の年齢や体型よりも、私の場合はやりたい仕事があるのだ。
ところがーー
「わかった。先方には、姉の希々がお受けすると伝えておく」
「希々、良かったわね~」
良かったわねと言いながらも、母の顔は拒否するなよと言っている。
こうして、相手の顔も知らないまま、数ヶ月後に結婚式を迎えたのだ。