EASY GAME-ダメ男製造機と完璧上司の恋愛イニシアチブ争奪戦ー
「彼氏、大丈夫なの?」
「え?」
それから、ようやく支度をすべて終え布団に入ると、ベッドから舞子がのぞき込んできた。
「……何か、ヤバくない?束縛系ってヤツ?」
「……考えすぎだよ。……実はさ、あたし、昨日ちょっと体調くずしちゃって。それで、心配してくれてただけよ」
「え、アンタ、平気なの?」
驚く舞子に、あたしは、苦笑いで返す。
「大丈夫。昔から、医者なんて、ほとんどかかってないでしょ」
「……そうだけどさぁ」
納得しきれない舞子は、あたしの額に手を当てる。
「……まあ、今は大丈夫みたいね」
「だから、言ったじゃない」
あたしは、そっと舞子の手を外すと、布団に潜り込んだ。
「――美里」
「何?」
「……万が一があったら、すぐに言いなさいよ。……二人目の時みたいに、栄養失調とか、もう、勘弁してほしいんだから」
「……うん。……大丈夫」
少しだけバツが悪くなり、あたしは、うなづいた。
「……もう、わかってるから」
「――なら良いけどさ」
そして、舞子もベッドに横になった。
おやすみ、と、言い合って、あたし達は眠りについた。
翌朝、朝ごはんを二人で食べていると、部屋のチャイムが鳴り響く。
舞子がドアスコープからのぞくと、どうやら、朝日さんが、もう来てしまったようだ。
――まだ、七時過ぎなのに。
ドアを開けると、舞子は、若干不機嫌そうに言った。
「――おはようございます、お早いお着きで」
それに対して、朝日さんは、あくまで余所行きだ。
「おはようございます。美里は、まだ、寝てますか」
すると、舞子は、あたしをチラリと振り返る。
「いえ、ちゃんと起きてご飯食べてますけど」
「そうですか。美里、車で待ってるからな」
朝日さんは、舞子を越え、奥で様子をうかがっていた、あたしに言った。
「……ハ、ハイ……」
あたしの返事を聞くと、彼は、一旦立ち去った。
ドアを閉め、舞子は振り返ると、眉を寄せる。
「……何か、胡散臭いのよねぇ……」
「そ、そう?……アレ、完全に余所行きだけど……」
どちらかと言うと、会社での態度に見えるのだ。
プライベートの彼は、あんな愛想が良い訳ではない。
――それは、あたしに対してだけなのかもしれないけれど。
「それをできるのが、胡散臭いっていうの」
舞子は、何かケチをつけないと収まらないらしい。
あたしは、苦笑いで立ち上がると、食器をシンクに持って行く。
「まあ、仕方ないから。……一応、部長だしさ」
立場上、そうしなければならない事も、多々あるんだろう。
その間に培われたものなら、それは、もう、彼の一部だ。
「もう……美里、ホントに大丈夫?」
「大丈夫だから。ありがと。コレ、片付けたら行くね」
あたしは、腕まくりをすると、食器用スポンジを持つ。
「あ、いいわよ。――アタシ、今日は休みだし。アンタ、待たせてるんだから」
そう言って、舞子はあたしの手からスポンジを奪った。
「ホラ、行きなさいな。――あと、ちゃんと報告してよね。アタシの結婚は、アンタにかかっている」
「……プレッシャーすごいんだけど……」
お互いに笑い合う。
そして、あたしは、支度をするとバッグを持ち、朝日さんの元に急いだ。
「え?」
それから、ようやく支度をすべて終え布団に入ると、ベッドから舞子がのぞき込んできた。
「……何か、ヤバくない?束縛系ってヤツ?」
「……考えすぎだよ。……実はさ、あたし、昨日ちょっと体調くずしちゃって。それで、心配してくれてただけよ」
「え、アンタ、平気なの?」
驚く舞子に、あたしは、苦笑いで返す。
「大丈夫。昔から、医者なんて、ほとんどかかってないでしょ」
「……そうだけどさぁ」
納得しきれない舞子は、あたしの額に手を当てる。
「……まあ、今は大丈夫みたいね」
「だから、言ったじゃない」
あたしは、そっと舞子の手を外すと、布団に潜り込んだ。
「――美里」
「何?」
「……万が一があったら、すぐに言いなさいよ。……二人目の時みたいに、栄養失調とか、もう、勘弁してほしいんだから」
「……うん。……大丈夫」
少しだけバツが悪くなり、あたしは、うなづいた。
「……もう、わかってるから」
「――なら良いけどさ」
そして、舞子もベッドに横になった。
おやすみ、と、言い合って、あたし達は眠りについた。
翌朝、朝ごはんを二人で食べていると、部屋のチャイムが鳴り響く。
舞子がドアスコープからのぞくと、どうやら、朝日さんが、もう来てしまったようだ。
――まだ、七時過ぎなのに。
ドアを開けると、舞子は、若干不機嫌そうに言った。
「――おはようございます、お早いお着きで」
それに対して、朝日さんは、あくまで余所行きだ。
「おはようございます。美里は、まだ、寝てますか」
すると、舞子は、あたしをチラリと振り返る。
「いえ、ちゃんと起きてご飯食べてますけど」
「そうですか。美里、車で待ってるからな」
朝日さんは、舞子を越え、奥で様子をうかがっていた、あたしに言った。
「……ハ、ハイ……」
あたしの返事を聞くと、彼は、一旦立ち去った。
ドアを閉め、舞子は振り返ると、眉を寄せる。
「……何か、胡散臭いのよねぇ……」
「そ、そう?……アレ、完全に余所行きだけど……」
どちらかと言うと、会社での態度に見えるのだ。
プライベートの彼は、あんな愛想が良い訳ではない。
――それは、あたしに対してだけなのかもしれないけれど。
「それをできるのが、胡散臭いっていうの」
舞子は、何かケチをつけないと収まらないらしい。
あたしは、苦笑いで立ち上がると、食器をシンクに持って行く。
「まあ、仕方ないから。……一応、部長だしさ」
立場上、そうしなければならない事も、多々あるんだろう。
その間に培われたものなら、それは、もう、彼の一部だ。
「もう……美里、ホントに大丈夫?」
「大丈夫だから。ありがと。コレ、片付けたら行くね」
あたしは、腕まくりをすると、食器用スポンジを持つ。
「あ、いいわよ。――アタシ、今日は休みだし。アンタ、待たせてるんだから」
そう言って、舞子はあたしの手からスポンジを奪った。
「ホラ、行きなさいな。――あと、ちゃんと報告してよね。アタシの結婚は、アンタにかかっている」
「……プレッシャーすごいんだけど……」
お互いに笑い合う。
そして、あたしは、支度をするとバッグを持ち、朝日さんの元に急いだ。