EASY GAME-ダメ男製造機と完璧上司の恋愛イニシアチブ争奪戦ー
「じゃあね、舞子」
「――来月になったら、駆け込んで来ないでよね」
「縁起でもないコト、言わないでくれるか」
舞子のセリフに、朝日さんが眉を寄せて口を挟んだ。
そして、あたしの肩を抱いて言った。
「――オレは、一生離すつもりはないんだから」
「あ、朝日さん」
その宣言に、あたしは、真っ赤になってしまう。
――舞子相手に、恥ずかしい!
すると、舞子は、あきれたように返した。
「この前も言ったけど――あんまり、束縛が過ぎるのも破綻する原因よ」
「わかってる。――ちゃんと、肝に銘じているから」
「まあ、アンタ、女が寄って来るタイプみたいだから、かえって虫よけになるのかしらね」
「必要無い。虫よけは、むしろ、美里に必要だからな」
「……あら、そこは一致するのね」
「ふ、二人とも!」
あたしの方に矛先が向けられ、あせってしまう。
けれど、何だかそこでシンパシーを感じたのか、朝日さんは、満足そうにうなづいた。
「――だが、キミのような友人がいてくれて、助かる。……美里を今まで守ってくれて、ありがとう。これからは、オレが守るから――」
そう言いかけるが、彼を、ジロリと見上げている舞子に気がつき、言葉を止める。
「お役御免みたいに言わないでよ。アンタが安全っていう保障は無いんだから。――あたしは、一生、美里の友人だし、一番の理解者だから」
お互いににらみ合うと、不意に秋成さんが、舞子を荷物を持つように肩に抱え上げた。
あたしも、朝日さんも――当の舞子も驚いて秋成さんを見る。
「ちょっ……アキ!?」
「ハイハイ、もう、キリがないからやめようよ、舞子。ひとまず、美里ちゃんは、黒川さんに任せて――おれ達は、おれ達の事を考えよう」
「え」
キョトンとする舞子を見やり、秋成さんは続けた。
「――美里ちゃんが先に幸せにならない限り、おれ、ずっとお預けなんだよね」
「……ハ、ハイ……」
あたしに向けたその笑顔に、まあまあの圧を感じてしまい、思わずうなづいたのだった。
マンションに帰り、部屋に入ると、朝日さんと二人で大きく息を吐いた。
「……なかなか、手強いな、舞子くんは……」
「……ごめんなさい……」
あたしが謝ると、彼は苦笑いで頭を軽くたたく。
「まあ、認められたと思いたいが……」
「た、たぶん……大丈夫……」
その答えに、眉を寄せられてしまうが、こればっかりはしょうがない。
「……舞子は……あたしの、たった一人の親友で……昔から、あたしの事、ずっと心配してくれていたから……」
「――そうか」
「けど、何だかんだ言っても、あたしの意思を優先してくれるの。……だから……」
どうにか舞子の事を伝えたかったが、彼の唇にふさがれる。
「大丈夫だ。――お前が信頼しているなら、オレは何も言わない」
「……ありがと」
すると、朝日さんは、思い出したように眉を寄せた。
「……だが、飯山くんに、名前呼びをやめさせるのは、無理なのか……?」
「……うーん……もう、秋成さん、クセだから……」
「お前もな」
「……ごめん。……やっぱり、難しいかも」
何だかんだ言って、秋成さんとは会って五年。
舞子がらみだから、警戒心なんて、まったく無いんだ。
そう続ければ、朝日さんは、あたしを抱き寄せ、耳元で囁いた。
「どれだけ妬かせれば気が済むんだ、お前は」
「――……っ……!」
ビクリと肩を震わせれば、彼は満足そうに笑った。
「……朝日さんっ!」
何だか悔しくなって、あたしは、頬を膨らませた。
「――来月になったら、駆け込んで来ないでよね」
「縁起でもないコト、言わないでくれるか」
舞子のセリフに、朝日さんが眉を寄せて口を挟んだ。
そして、あたしの肩を抱いて言った。
「――オレは、一生離すつもりはないんだから」
「あ、朝日さん」
その宣言に、あたしは、真っ赤になってしまう。
――舞子相手に、恥ずかしい!
すると、舞子は、あきれたように返した。
「この前も言ったけど――あんまり、束縛が過ぎるのも破綻する原因よ」
「わかってる。――ちゃんと、肝に銘じているから」
「まあ、アンタ、女が寄って来るタイプみたいだから、かえって虫よけになるのかしらね」
「必要無い。虫よけは、むしろ、美里に必要だからな」
「……あら、そこは一致するのね」
「ふ、二人とも!」
あたしの方に矛先が向けられ、あせってしまう。
けれど、何だかそこでシンパシーを感じたのか、朝日さんは、満足そうにうなづいた。
「――だが、キミのような友人がいてくれて、助かる。……美里を今まで守ってくれて、ありがとう。これからは、オレが守るから――」
そう言いかけるが、彼を、ジロリと見上げている舞子に気がつき、言葉を止める。
「お役御免みたいに言わないでよ。アンタが安全っていう保障は無いんだから。――あたしは、一生、美里の友人だし、一番の理解者だから」
お互いににらみ合うと、不意に秋成さんが、舞子を荷物を持つように肩に抱え上げた。
あたしも、朝日さんも――当の舞子も驚いて秋成さんを見る。
「ちょっ……アキ!?」
「ハイハイ、もう、キリがないからやめようよ、舞子。ひとまず、美里ちゃんは、黒川さんに任せて――おれ達は、おれ達の事を考えよう」
「え」
キョトンとする舞子を見やり、秋成さんは続けた。
「――美里ちゃんが先に幸せにならない限り、おれ、ずっとお預けなんだよね」
「……ハ、ハイ……」
あたしに向けたその笑顔に、まあまあの圧を感じてしまい、思わずうなづいたのだった。
マンションに帰り、部屋に入ると、朝日さんと二人で大きく息を吐いた。
「……なかなか、手強いな、舞子くんは……」
「……ごめんなさい……」
あたしが謝ると、彼は苦笑いで頭を軽くたたく。
「まあ、認められたと思いたいが……」
「た、たぶん……大丈夫……」
その答えに、眉を寄せられてしまうが、こればっかりはしょうがない。
「……舞子は……あたしの、たった一人の親友で……昔から、あたしの事、ずっと心配してくれていたから……」
「――そうか」
「けど、何だかんだ言っても、あたしの意思を優先してくれるの。……だから……」
どうにか舞子の事を伝えたかったが、彼の唇にふさがれる。
「大丈夫だ。――お前が信頼しているなら、オレは何も言わない」
「……ありがと」
すると、朝日さんは、思い出したように眉を寄せた。
「……だが、飯山くんに、名前呼びをやめさせるのは、無理なのか……?」
「……うーん……もう、秋成さん、クセだから……」
「お前もな」
「……ごめん。……やっぱり、難しいかも」
何だかんだ言って、秋成さんとは会って五年。
舞子がらみだから、警戒心なんて、まったく無いんだ。
そう続ければ、朝日さんは、あたしを抱き寄せ、耳元で囁いた。
「どれだけ妬かせれば気が済むんだ、お前は」
「――……っ……!」
ビクリと肩を震わせれば、彼は満足そうに笑った。
「……朝日さんっ!」
何だか悔しくなって、あたしは、頬を膨らませた。