EASY GAME-ダメ男製造機と完璧上司の恋愛イニシアチブ争奪戦ー
そのまま、気が遠くなるほどにキスを続けた。
お互いに離れるのを嫌がるように抱き締め合う。
「――……あの……朝日さん……」
少しだけ唇を離し、あたしは、彼を見上げ尋ねる。
「……我慢、まだ、します……?」
「――……お前なぁ……」
苦々しく言うと、朝日さんは、あたしを離した。
「……ちゃんと、仕切り直させろ。これでも、シミュレーションしてるんだが」
「――え」
「……これまでのヤツがどうだったかは知らないが、オレは、なし崩しで済ませるのは嫌なんだ」
あたしは、まじまじと彼を見つめた。
その視線に、ふてくされたように返される。
「……どうせ、重いとか思ってるんだろう」
「い、いえっ……その……そんな風に言われるの、初めてだったんで……」
今までを思い出すと、苦い思いがこみ上げるが――もしかしたら、上書きできるんだろうか。
すると、朝日さんは、その端正な顔で、クスリ、と、微笑む。
それだけで、見とれてしまった。
「――まずは、デートを仕切り直すか」
そう、楽しそうに言われ、思わず顔が赤くなる。
「……っ……そう、ですねっ!!」
あたしは、バツが悪くなり、そう言いながら彼の胸に顔をうずめたのだった。
その後、ソファに並んで身体を寄せ合い座り、配信サービスの恋愛ドラマを観るともなく観ていた。
ぼうっとした、緩い時間は、殊の外あたしを癒してくれたようだ。
時折、思い出したように流れてくる涙は、朝日さんが唇で拭い取ってくれた。
そのたびに、大事だと言ってくれた彼の言葉が、本当なのだと信じられて――心の奥の傷がふさがっていく感じがした。
「――美里、眠いのか?」
「……うん……」
彼の腕の中が落ち着くのか、あたしは、いつの間にか、うつらうつらとし始め、そう尋ねられる。
すると、軽く唇にキスを落とされた。
「……朝日さん……?」
「このまま寝ておけ、と、言いたいところだが――夕飯食べないと、夜中に目が覚めるぞ?」
あたしは、少し面倒に感じたが、うなづいて身体を起こした。
「……じゃあ……何か、作ります……」
「美里」
眉を寄せる朝日さんに、あたしも眉を寄せる。
「何ですか?――何か、リクエストあります……?」
「じゃなくて、何もしなくていいと言っただろう」
「……嫌です、って、言ったでしょう」
「また、お前は……」
少しあきれたように、朝日さんは立ち上がったあたしの腕を取り、自分の胸に引き寄せた。
「朝日さん?」
すると、耳元から低い声が身体中に響く。
「――また、キスマーク、つけるぞ?明日、会社なのに良いのか?」
「……っ……‼‼」
あたしは、耳を押さえながら、彼から無理矢理離れる。
「わ……わかりましたっ‼」
朝日さんは、そんなあたしを見て、口元を上げた。
「――やっぱり、耳、弱いんだな」
「……バカッ!エロオヤジ‼」
「エッ……!!!?」
思わず叫んだ言葉は、思いのほか、刺さったらしい。
ショックな表情を隠さない朝日さんの顔を見て、あたしは、思い切り笑った。
お互いに離れるのを嫌がるように抱き締め合う。
「――……あの……朝日さん……」
少しだけ唇を離し、あたしは、彼を見上げ尋ねる。
「……我慢、まだ、します……?」
「――……お前なぁ……」
苦々しく言うと、朝日さんは、あたしを離した。
「……ちゃんと、仕切り直させろ。これでも、シミュレーションしてるんだが」
「――え」
「……これまでのヤツがどうだったかは知らないが、オレは、なし崩しで済ませるのは嫌なんだ」
あたしは、まじまじと彼を見つめた。
その視線に、ふてくされたように返される。
「……どうせ、重いとか思ってるんだろう」
「い、いえっ……その……そんな風に言われるの、初めてだったんで……」
今までを思い出すと、苦い思いがこみ上げるが――もしかしたら、上書きできるんだろうか。
すると、朝日さんは、その端正な顔で、クスリ、と、微笑む。
それだけで、見とれてしまった。
「――まずは、デートを仕切り直すか」
そう、楽しそうに言われ、思わず顔が赤くなる。
「……っ……そう、ですねっ!!」
あたしは、バツが悪くなり、そう言いながら彼の胸に顔をうずめたのだった。
その後、ソファに並んで身体を寄せ合い座り、配信サービスの恋愛ドラマを観るともなく観ていた。
ぼうっとした、緩い時間は、殊の外あたしを癒してくれたようだ。
時折、思い出したように流れてくる涙は、朝日さんが唇で拭い取ってくれた。
そのたびに、大事だと言ってくれた彼の言葉が、本当なのだと信じられて――心の奥の傷がふさがっていく感じがした。
「――美里、眠いのか?」
「……うん……」
彼の腕の中が落ち着くのか、あたしは、いつの間にか、うつらうつらとし始め、そう尋ねられる。
すると、軽く唇にキスを落とされた。
「……朝日さん……?」
「このまま寝ておけ、と、言いたいところだが――夕飯食べないと、夜中に目が覚めるぞ?」
あたしは、少し面倒に感じたが、うなづいて身体を起こした。
「……じゃあ……何か、作ります……」
「美里」
眉を寄せる朝日さんに、あたしも眉を寄せる。
「何ですか?――何か、リクエストあります……?」
「じゃなくて、何もしなくていいと言っただろう」
「……嫌です、って、言ったでしょう」
「また、お前は……」
少しあきれたように、朝日さんは立ち上がったあたしの腕を取り、自分の胸に引き寄せた。
「朝日さん?」
すると、耳元から低い声が身体中に響く。
「――また、キスマーク、つけるぞ?明日、会社なのに良いのか?」
「……っ……‼‼」
あたしは、耳を押さえながら、彼から無理矢理離れる。
「わ……わかりましたっ‼」
朝日さんは、そんなあたしを見て、口元を上げた。
「――やっぱり、耳、弱いんだな」
「……バカッ!エロオヤジ‼」
「エッ……!!!?」
思わず叫んだ言葉は、思いのほか、刺さったらしい。
ショックな表情を隠さない朝日さんの顔を見て、あたしは、思い切り笑った。