EASY GAME-ダメ男製造機と完璧上司の恋愛イニシアチブ争奪戦ー
fight.18
軽く夕食を済ませ、いざ、眠る段になって気がついた。
「……あの……朝日さん」
「何だ?」
当然のように、あたしをベッドに促した朝日さんは、聞き返してくる。
どうやら、もう、一緒に寝るのは決定らしい。
あたしは、そこに座ると、立ったままの彼を見上げた。
「……会社では、付き合ってるって言いたくないんですけど……」
すると、朝日さんは、眉を寄せる。
「別に良いだろう。――社内恋愛なんて、どこでもあるんじゃないか」
あたしは、勢いよく首を振った。
「状況が違うでしょ!朝日さんは、部長、あたしは同じ部署の平社員です!……絶対に、あたしが、部署替えになるじゃないですか」
すると、朝日さんは隣に座り、唸る。
「――……それもそうか。……ウチは、社内恋愛禁止ではないが、部署替えはあるな」
「……だから……」
あたしは、視線を落とす。
自分の仕事は、たぶん、誰に渡してもできるだろうけれど――ここまでやってきた努力は無駄にしたくないのが本音だ。
「美里は――続けたいのか?」
「え?」
不意に問われ、意味が分からず聞き返す。
「……いや……仕事を、だが……」
あたしは、まじまじと朝日さんを見返した。
「……辞める訳ないじゃないですか」
「……オレが養うからって言っても?」
「嫌です」
即答してしまい、一瞬、バツが悪くなる。
でも、これは譲れない。
少しでも――必要だと思ってもらえるなら、あたしは辞めるつもりなんて毛頭ないんだから。
朝日さんは、あたしを見下ろすと、ぐい、と、肩を引き寄せた。
反動で彼の胸に顔をうずめたあたしは、視線だけを上げる。
「朝日さん?」
「……悪い。……繰り返すが、オレは心が狭いぞ」
「は?」
「――……お前を、他の男に近づけたくない」
真っ直ぐに見下ろされ、硬直してしまう。
――この人、もしかしなくても……。
「……朝日さん、ヤキモチ妬き……なんですか?」
「……うるさい」
あたしが、そう言うと、彼はふてくされたようにキスをしてきた。
「――何なら、今すぐに指輪はめて、オレのものだと触れ回りたいんだが?」
「……っ……だからっ……先走りすぎですってば!」
たぶん、真っ赤になっているあたしの耳元で、朝日さんは、更に続ける。
「まあ、婚姻届は用意しておくから」
「――っ……‼??」
そう言うと、朝日さんは、あっさりとあたしを離し、ベッドに入る。
あたしも、左耳を押さえながら恐る恐るベッドの中に入ると、できる限り距離を取って横になった。
――ダメだ。
……変に意識しちゃう。
敏感に反応してしまう身体が恥ずかしくなって、彼に背を向ける。
だが、すぐに後ろから引き寄せられ、抱き込まれた。
「……何で離れる?」
「……え、あ、えっと……何か、恥ずかしいというか……」
「オレは嬉しいのに?」
「え」
あたしが振り返ると、朝日さんは、クスリ、と、微笑む。
「――好きな女が、腕の中にいるんだぞ?」
「……朝日さん……」
そんな事を、恥ずかし気もなく言う彼を、あたしは真っ赤なまま見上げる。
「……気障にも程があります」
「そうか?」
けれど、あたしを離す事なく、朝日さんは眠りについた。
――……まあ、あたしは、それからしばらくは悶々として寝付けなかったけれど。
「……あの……朝日さん」
「何だ?」
当然のように、あたしをベッドに促した朝日さんは、聞き返してくる。
どうやら、もう、一緒に寝るのは決定らしい。
あたしは、そこに座ると、立ったままの彼を見上げた。
「……会社では、付き合ってるって言いたくないんですけど……」
すると、朝日さんは、眉を寄せる。
「別に良いだろう。――社内恋愛なんて、どこでもあるんじゃないか」
あたしは、勢いよく首を振った。
「状況が違うでしょ!朝日さんは、部長、あたしは同じ部署の平社員です!……絶対に、あたしが、部署替えになるじゃないですか」
すると、朝日さんは隣に座り、唸る。
「――……それもそうか。……ウチは、社内恋愛禁止ではないが、部署替えはあるな」
「……だから……」
あたしは、視線を落とす。
自分の仕事は、たぶん、誰に渡してもできるだろうけれど――ここまでやってきた努力は無駄にしたくないのが本音だ。
「美里は――続けたいのか?」
「え?」
不意に問われ、意味が分からず聞き返す。
「……いや……仕事を、だが……」
あたしは、まじまじと朝日さんを見返した。
「……辞める訳ないじゃないですか」
「……オレが養うからって言っても?」
「嫌です」
即答してしまい、一瞬、バツが悪くなる。
でも、これは譲れない。
少しでも――必要だと思ってもらえるなら、あたしは辞めるつもりなんて毛頭ないんだから。
朝日さんは、あたしを見下ろすと、ぐい、と、肩を引き寄せた。
反動で彼の胸に顔をうずめたあたしは、視線だけを上げる。
「朝日さん?」
「……悪い。……繰り返すが、オレは心が狭いぞ」
「は?」
「――……お前を、他の男に近づけたくない」
真っ直ぐに見下ろされ、硬直してしまう。
――この人、もしかしなくても……。
「……朝日さん、ヤキモチ妬き……なんですか?」
「……うるさい」
あたしが、そう言うと、彼はふてくされたようにキスをしてきた。
「――何なら、今すぐに指輪はめて、オレのものだと触れ回りたいんだが?」
「……っ……だからっ……先走りすぎですってば!」
たぶん、真っ赤になっているあたしの耳元で、朝日さんは、更に続ける。
「まあ、婚姻届は用意しておくから」
「――っ……‼??」
そう言うと、朝日さんは、あっさりとあたしを離し、ベッドに入る。
あたしも、左耳を押さえながら恐る恐るベッドの中に入ると、できる限り距離を取って横になった。
――ダメだ。
……変に意識しちゃう。
敏感に反応してしまう身体が恥ずかしくなって、彼に背を向ける。
だが、すぐに後ろから引き寄せられ、抱き込まれた。
「……何で離れる?」
「……え、あ、えっと……何か、恥ずかしいというか……」
「オレは嬉しいのに?」
「え」
あたしが振り返ると、朝日さんは、クスリ、と、微笑む。
「――好きな女が、腕の中にいるんだぞ?」
「……朝日さん……」
そんな事を、恥ずかし気もなく言う彼を、あたしは真っ赤なまま見上げる。
「……気障にも程があります」
「そうか?」
けれど、あたしを離す事なく、朝日さんは眠りについた。
――……まあ、あたしは、それからしばらくは悶々として寝付けなかったけれど。