同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 

「いやでも、メイクの上手い女の子って、全然変わっちゃいますよね~。
 夏華は昔、ベリーショートで、部活でオラオラッて感じだったのに」

 何故か田中に送られながら、めぐるは言った。

 いや、何故かもなにも、二人とも二次会に行かなかったからなのだが。

 途中で帰るのは残念だが、明日の仕事もある。

 この『田中一郎』もそうなのだろうか?
とめぐるは田中をうかがい見た。

 ――まあ、これ以上残っていても、どうせみんな、かなり酔ってるから。

 誰が残っていて、なにを話したかとか。
 明日には覚えてなさそうだしな~。

 街の明かりが川に映って揺れているのを眺めながら、二人は川沿いの道を帰った。
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