同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 風情ある通りをいい雰囲気で歩いているように傍目(はため)には見えるかもしれないが。

 ふたりとも全然、関係ないことを考えていた。

 会話が止まっていたことに、ふと気づいたらしい田中がさっきの話題を掘り返してくる。

「大丈夫だ。
 俺も女子はほぼ全員、顔を見ただけではわからない。

 あいつら、常にリノベーションしてくるからな」

 建築物かなにかのように女性の顔を言う。

 まあ、どんどん良くなってるのなら、いいことではないだろうか。

 っていうか、ひとつ話して次の会話が来るまで、長考するな、この人……。
< 13 / 521 >

この作品をシェア

pagetop