同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 人のいいおばあさんが経営してそうな食堂がすぐ近くにあった。

 田中はガラガラと重いガラス戸を開け、中を見る。

 客は多いがてんてこまいという雰囲気ではない。

 単に出前を受けたくなかったのかなと思ったが、何故か赤いエプロンをつけた若い娘が足を押さえて、床にうずくまっていた。

「いつまで、しゃがんでるんだいっ」
と奥からおばさんが顔を覗ける。

 全然、人の良いおばあさんな感じではない……。

「……イタイ。

 コユビ。

 イタイ」

 娘は何故かカタコトな感じにしゃべる。

 どうやら、テーブルの脚で小指を強打し、悶絶しているようだった。
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