同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
「ほら、男前のお客さんが来たよ。
 注文訊きなっ」

「めぐるちゃん、代わりに訊いてあげるよ」
と同情したのか、レジ付近に財布を持って立っていたおじさんが苦笑いして言う。

「……めぐる?」

 まだコンクリートの床の上にしゃがみ込んでいる娘を見ると、彼女が顔を上げた。

 ちょっと幼くも感じるが、綺麗な顔をしている。

 紛れもない、天花めぐるだった。

「あ、私の代わりに補充された人……」
「俺の前座……」

 お互いを見て、二人は、そう呟いた。





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