同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 


 なんで、前座だ……と思いながら、めぐるは田中の注文を受けていた。

「いや~、すみません。
 電話、最初は手が回らなくて、とれなくて。
 次は足強打して、とれなくて」

「ああ、忙しいところ、すまなかったな。
 配達は遅くなってもいいそうだから」

 そう田中は言ったが、奥から、祖母、百合香が、

「なに言ってんだい。
 あのじいさん、そう言いながら、遅いとうるさいんだよ。

 めぐる。
 すぐ作るから持っていきな」
と言ってくる。

「あ、じゃあ、待ってるから。
 俺も運ぼう」
と田中が言ってくれた。

 大丈夫ですよ、と言ったものの、数が多かった。
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