同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 


「近いですね」

「なんかお前のおばあさんのお店に近いから、ここに移転してきたようだぞ」

 移転?
 なにがこの町にやってきたんだ? と思いながら、めぐるは見上げる。

 看板もない古い小さなビル。

 ここ、取り壊すとか言ってなかったっけ?
と思ったとき、どやどやと若い男たちがコンクリートの階段を下りてきた。

「あ、来た来た。
 オムライスーっ」

 そう叫んだのは、ちっちゃな子どもたちではなく、彼らだった。

「あ、可愛いお姉さん。
 配達ありがとねー」

「ありがとねー」

「あ、中身貸して、持つよ。
 ありがとねー。

 ……一郎、お前は自分で持てよ」
と言いながら、彼らを料理をさらい、わーっと行ってしまった。
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