同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 

 夜、店が閉まったあと、めぐるは高校生の弟、雄嵩(ゆたか)と居間でゲームをしていた。

 高校に通うのに近いので、雄嵩は百合香のところに下宿している。

 画面を見たままめぐるは言った。

「今日さー、絶望のタヌキだって、死神に言われたんだけど」

「なにそれ、ネットゲームでもはじめたの?」

 ゲームに集中しているらしい雄嵩はそんな適当な返事をしてくる。

 まあ、絶望とか死神とか。
 確かにゲームっぽいな、とめぐるも思う。

「ニセモノの死神らしいよ」

「意味わかんないんだけど。
 まだ病んでんの?」

 どうでも良さそうに画面を見つめ、雄嵩は言う。
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