同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
「まあ、軽く吹き飛ばしたい人はいるんですけど」

「誰なんだ?」

「若林さんです」
「若林か」

 二人同時に言っていた。

 田中も相変わらず、無理難題を言われたりしているようだった。

 だが、ああ見えて、いろいろ情報を集めてきてくれたりと、気まぐれに親切なときもあるので、頼まれると断りづらかった。

「……そういえば、このところ、海外からもよく電話がかかってるみたいだな」

「そうですね。
 新しい店舗のことで」

 田中はまた沈黙した。
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