運命に従ってみた
お店を出て、少し緊張しながら
渉に電話をかける。


「真矢ちゃん、終わった?」

「あ、うん?」

「今から行っていい?」

「うん」

「んじゃ、くるね」


いつもの渉だ。

何か、少しだけ安心した気がする。


大きく深呼吸をして、足早に家に帰ると

ちょうどアパート前で渉に会い


「真矢ちゃん、お疲れさま」

そう言いながら抱きついてきた。


「一緒に飲もうと思ってお酒買ってきた」

そう無邪気に笑っている。


家に入り、2人でお酒を開け


「お疲れ」


缶チューハイで乾杯をする。


さっきまでの不安が全部吹き飛んでいく。
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