運命に従ってみた

*貸し切り

「真矢ちゃん?今日めっちゃ暑い…
昨夜のお酒あっという間に抜けたわー
今日、飲み行くからよろしくね」


そんな数分の電話に


今日、渉がくる!?

何着よう。また変な緊張して汗とまらなくなったらどうしよう。

なんて、単純な私は考えていたけれど…


お店に行くと


本日は貸し切りです。
またのご来店をお待ちしております。

     恋(れん)


なんて張り紙が扉に貼られていた。


貸し切りだなんて初めてだ。


お店に入ると

ボックス席のテーブルに

お菓子やコースターなどがセッティングがされていて


「真矢ちゃん、今日は貸し切りだから
最初は忙しいかもしれないけど
がんばろうね」


ニコニコしているママ。


「何人くらいなんですか?」

「13人くらいかなぁ。
石崎くんとこのお店の子達だよ」

「石崎くんって誰ですか?」

「ん?昨夜来たじゃん。
ほら、かなえちゃんと付き合ってた人分かる?
私も知らなかったんだけど、かなえちゃん見て
何であいつがいるんですかって聞いてきたから
毎週水曜に来てくれるんだよって言ったんだけど
かなえちゃんと知り合いなのか聞いたら
店の従業員で元カノとか言うからビックリしちゃったわよ」



渉のことだ…

石崎って言うんだ…

っていうか、店の従業員ってなに?

意味が分からない。
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