運命に従ってみた
そんな大爆笑につられて、私とママも笑ってしまっているけれど


「お前、うざいんだけど」

渉のそんな声が聞こえ
一斉に渉の方に目を向けると


渉の隣にいた男性がトイレに立った隙に
かなえさんが渉の隣に移動していた。


「何でそんな事言うのー」

冗談っぽくそう言うかなえさんに

「マジでうざい」


険悪なムードになりつつある…


反対側に座っていた男性が
さりげなく、かなえさんを渉から離そうとするけれど


意地なのか、移動しようとしないかなえさん。


そんな姿を見ながら大きくため息をつき

立ち上がると


「最初からここ座れば良かった」


私の隣にストンと座った。
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