運命に従ってみた
一緒にいる時間が増えた分

人間とは欲張りになっていくもので…

「渉、また携帯なってるよ」

「え?あ、ありがとー」

机の上に無造作に置かれた渉の携帯は

電話の通知音が頻繁に鳴っているわけで…


たまに、女性の名前のような表示を見てしまうと


どんな関係なんだろう。


なんて、余計な心配ばかりしてしまっている。


電話がくるたびに、誰?なんて聞いてたら

1日に何十回も聞かないといけなくなるし…


どうしたら、この不安は解消されるのかすら

自分でも分からない。


きっと、電話が頻繁に鳴るたびに不安だなんて

渉に伝えたら、どうしたらいい?と

聞いてくるだろう。

どうしたらいい?と聞かれたら


その解決策が分からない私は

答えられない。


ダメだ、きっと欲張りになりすぎてるんだ。
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