運命に従ってみた
「真矢ちゃん、電話」

渉と1日ずっと一緒にいれる貴重な日曜日。

キッチンでお昼ごはんを作っている私に

不機嫌そうにズイッと携帯を差し出してきた。


差し出された携帯を受け取り、電話にでると


「真矢ちゃん、ママと連絡つかないんだけど
明日、同僚達と飲み会あってさ
恋って月曜日休みだったっけ?」


きくりんだ。


「月曜日休みだけど、ママがお店開けるかもしれないからママに直接聞いてみた方がいいかもー」

「そっかー、とりあえず
連絡待ってみるわ。ありがとうね」

「はーい」


電話を切り、携帯を机の上に置くと


「真矢ちゃん、今の誰?」

「お店の常連さんだよ」

「何で真矢ちゃんの番号知ってんの?」

「え?何でって…」

普通、夜仕事してる人は連絡先教えるんじゃないのだろうか。

いや、まぁ…ママは教えるんなら責任持ちなさい主義だから
このお店はあんまり教えたらいけないけど…
きくりんの場合は、ママが教えときなさいって言ったんだよね。
でも、説明が長々となりそうな気もして
言葉に詰まってしまった。

「仕方ないのは分かるんだけどさ。
今日、真矢ちゃん休みじゃん?
休みなのに客と話すとかなくね?
何かあんじゃないの?」


えぇっと…怒ってるのはすごく伝わってくる。

でも…
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