運命に従ってみた

「渉も同じじゃない？」

「何で俺が同じ？」


何かがキレた。

うん、唯一教えた常連の、既婚者のきくりんから電話がきただけで

普通に私は渉に怒られてるけど…


「ほら、ちょうど電話鳴ってるじゃん？」


渉の携帯を指差しながらそう言うと

表示名が女性の名前だ。

何て説得力のある現実なんだろう。


「え？こいつの話？」

「は？ボケてんの？
今日何回目の電話？
さて、その中で女性は何人いたでしょう？」


そんな話をしているうちに
着信の音は消え


わけがわからない様子の渉。


「もしかして、真矢ちゃん
怒ってる？」


もしかしなくても怒ってるけどね。