運命に従ってみた
「もし、一緒にいる時に私の携帯が
ひっきりなしにかかってきてて
男の名前があったりしたら
渉は、どう思う?」


考え込んでいる様子の渉に、更に


「仕事だから仕方ないよねー
で済むかな?」


追い討ちをかけていく。


渉だって、ラウンジ経営してるわけだし
昼間の仕事だってしてる。


仕事関係の電話ばかりなのも何となく分かる。


でも、でもね。


「私だって心配になるんだから…」


そう呟くように言うと


「真矢ちゃん、ごめんね」


静かに近寄ってくると
うつむく私の顔を覗き込んでいる。


「…私もごめんね」

「んじゃ、仲直りしよ。ギューして」

「うん」


何なんだ、この幸せなケンカは…

そもそもケンカと呼べるんだろうか。

ほんの数分前まで怒ってた2人が

普通にバグで仲直りって…
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