運命に従ってみた
「んでもってー、真矢ちゃん
俺ん家で一緒に暮らそっか?」


そう言いながら、私の顔の前で
鍵をユラユラと揺らしている。


渉の家…?


気にした事なかったと言えば嘘になるけど


「渉の家ってどこなの…?」

「ここから歩いて10分くらい?
真矢ちゃんが働いてるとこからは
歩いて5分くらいだから
今とあんま変わんないでしょ?」

「そうだけど…」

「明日、仕事休むって言ってあるから
明日引っ越ししよっか」

「明日!?早すぎない!?」

「だって、じゃないと真矢ちゃん不安でしょ?」


不安って言ってしまった翌日には

あっという間に解決策を考えてるって

もう…



「…うん、うん」


涙がでてくるよ…
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