運命に従ってみた

＊忘れていた存在

このアパートに住むようになって
数ヵ月しか経ってないという事もあり
荷物も少なく…

「渉の家、家電あるの？」

荷物を段ボールに詰め込みながらそう聞くと


「ある程度は揃ってるけど…
真矢ちゃんが使い続けたい物もあるだろうし
１回、この荷物運ぶついでに見てみる？」


なんて、見にきてはみたけど


「渉、料理してないよね…
このオーブンレンジとか何でこんな新品のままなの…
冷蔵庫、お酒しか入ってないんだけど…」


生活感がまったくないような空間がでてきた。


オートロックマンションだし…

部屋数３つもあるし…

キッチン広すぎだし…

冷蔵庫大きいのにお酒しかないし…

せめて洗濯物くらいはと思ったけど

普通に乾燥機つきだし…


「渉くんは、贅沢な暮らしをしてらっしゃるのですね」

思わず、嫌味がでてしまっている。