運命に従ってみた
バスに乗り込んだものの、みんな考える事は同じだったらしく座る場所すらないくらいに
新成人で満員状態だ。

着物の子達が多いなぁ…

真美とスーツで行こうって話合わせてて良かった

何だか、スーツの子が少ないから
少し浮いてしまっている。


会場近くのバス停にとまると
満員状態が一気に解消されている。


ようやく、バスから降り
思わずため息がこぼれている私に

「ねぇ…真矢…」


真美が不思議そうな顔で
私の方を見ている。


「ん?どうしたの?」


満員状態だったからセットした髪がちょっとくずれちゃったのかな…

なんて思いながら手で頭を直しているけれど


「バック小さく見えるんだけど
その中にヒールいれてるの?」


「え?ヒール?」

ポカンとする私に


「靴じゃん?」


指差す足元を見ると

全身の血の気が一気に引いていく。


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