運命に従ってみた
…靴だ。スニーカーだ。
しかも仕事用のスニーカーである。


スーツに、黒いスニーカー…
玄関にはヒールを出していたのに
それを無視してスニーカーを履いてしまい
そのままダッシュしてしまったわけだ。


「えーっと…違和感ある…かな?」


自信なさげに真美の顔を見ると


「いや、違和感しかないけど」


さすがだ、スパッとはっきりと言ってくれる。


「どうしよう…」


半泣きの私に


「まぁ、足元なんて見る人いないから
大丈夫、大丈夫」


笑いながら私の肩をポンポンとすると

「さー、レッツゴー」


私の手を引っ張るように会場へと歩き出した。
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