運命に従ってみた
「お姉さん。お姉さん」


後ろの席からそんな声と同時に
肩をトントンとされているけれど

ナンパ…?いや、まさかね…

何か髪についてるとか…?


トントンの間にいろいろな事を考えすぎて
振り向くに振り向けないという

考えすぎるこの性格本当恨んでしまう。


「お姉さんって」

再び肩を叩かれ、さすがに振り向くと

全然気にもしてなかったけれど

後ろのボックス席は

ソファー同士が背中合わせになっていて

私の座っているすぐ後ろには
他のボックス席があり


見渡してはいたけれど、カウンターの方向ばかり向いていたから
こんな近距離に
人がいたなんて気づきもしなかった。


思わず振り向いたものの…

明るいアッシュピンクの少し長めの髪が
色白の肌に映えている

整った綺麗な顔立ちの男性が目の前にいるわけで
思わず思考停止してしまう自分…
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