運命に従ってみた
「あ、はい…一応」


「俺もたまには手料理食べたいなー
あー、今日もコンビニかスーパーの弁当だなぁ
たまには手作り食べたいなー」


わざとらしくそんな事を言ってくるけれど…


このくだりは長くなるのだろうか。

両手の袋がどんどん重くなってきている気がする。


「簡単で良ければ、お昼くらいにお弁当持ってきます」


とりあえず、早く話を切り上げなければ…


「マジで?よっしゃー
何かやる気でてきたわ
さ、あと2時間張り切って仕事してこよーっと
楽しみにしとくね、真矢ちゃん」


そう笑顔で私の顔を覗き込むと

頭をポンっとし作業場所へと向かって行った。


あぁ、とっさに言ってしまったけれど

今はそれどころじゃなく

早く家にたどり着くのが先決だ。

途中途中で、袋を下ろし、また持ち上げ

ようやく家にたどり着いたけれど

両手が真っ赤である…

思わず玄関に座り込んでしまったけれど

12時にはお弁当を届けないといけないわけで

こんな悠長に座っている暇なんてないのだ。
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