運命に従ってみた
1時間しかない…
頭の中で何をするべきか考え

そうだ、まずごはんを炊かないと間に合わない。


食材を冷蔵庫にしまいながら

まず、卵焼きを作って、ブロッコリーをゆでて…

頭の中で運動会が始まっているようなものだ。


バタバタしながら

何とか12時前には作り終えたけれど

次はこれを届けないといけない。


ポカポカ陽気どころか

夏なんじゃないかってくらい暑いんだけど…

早歩きでスーパーへ向かうと

もう休憩時間に入っているようで

駐車場のワゴン車の中でごはんを食べている人や

スーパーでお弁当を買ってきたばかりの人達が目につく。


現場の人達を見ながら
キョロキョロとしていると


「誰か探してるの?」


スーパーからお弁当を買ってきたばかりのおじちゃんが近づいてきた。


誰か探している事は探しているのだけど

それが誰かと聞かれたら、名前を知らない私は何と言えばいいのだろう。


「はい、えーっと…黒いタオルかぶった…
ちょっと大きい…」


キョトンとしているおじちゃん…

当たり前だ。


あっ!そうだ。


「ピンク!ピンクっぽい髪の人です!」

一番特徴的な部分を忘れていた。

そうだ、一番の特徴じゃないか。

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