運命に従ってみた

*お弁当やさん

家に着き、後片付けをしながら
余った卵焼きや唐揚げをつまみつつ

もうちょっと味濃い方が良かったかも…

なんて反省会だ。


頭の中でいろいろ考えながら
大きな唐揚げを一気に口に入れた時に

タイミング悪く携帯が鳴ってしまっているけれど…


知らない番号…


「も。もしもし」


モゴモゴしながら、慌てて電話に出ると


「真矢ちゃん?つまみ食い中?笑」


笑われてしまっている。

しかも当たってるし…

急いでゴクンと飲み込み


「すいません…」


なんて恥ずかしい…


「お弁当めっちゃおいしかった。
使い捨て容器にわざわざしてくれるなんて
気遣いありすぎで感動したし」


それは気遣いというか

洗うのが面倒というか…


「食べてくれたなら良かったです」


そうだ、一番はそれがうれしいのだ。

誰かにこうして作って、おいしかったって言ってもらえるのが一番うれしい。


「みんなめっちゃ羨ましがってた。
いや、やっぱ愛情弁当いいよね」


そんな喜んでもらえるとは…
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