運命に従ってみた
「でさ、真矢ちゃんお願いあるんだけど…」

「お願いですか?」


何だろう、またお弁当作ってほしいとか?


「俺んとこ、俺合わせて8人いるんだけど
週何回かでいいから、この現場終わるまで
お弁当作ってくんないかななんて…」


そう言っている背後で

無理って??
週1でもいいって言えばしてくれるんじゃね?

ゴニョゴニョと数人の声が聞こえてくる。



思わず笑いがでてしまう私…


「真矢ちゃん?何か笑ってる?」

「あ、ごめん…ふふふ
何か周りの声が聞こえてきてるから…ふふふ」

「え!?おい、お前らうるさいって!」


何だか、うれしくなるようなお願いだ。


「そんな難しいお弁当は作れないけど…
月曜日と火曜日だけでもいいですか?」


日曜日は現場がお休みだろうし…

日曜と月曜が休みの私が作れるとしたら、月曜日と火曜日しかない。


「全然いい!!お願いします!」

「天気とかでお休みの時は、朝連絡してくれたら助かります」


外仕事だから天気に左右されるだろうし。

「もちろん電話する。
じゃあ…明日火曜だけど…明日とか…」

そっか、火曜日だ。

「明日8人分、お昼に届けますね」

そう言った瞬間

電話の背後から喜ぶ声がうるさいくらいに聞こえてきた。

こんな喜んでもらえるなんて

私がうれしくなってしまう。
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