運命に従ってみた
渉の顔を見上げ、そのまま思いきり抱きつくと

甘い香水の匂いが私の体にまとわりつくように

渉の匂いに包まれている。


そのまま、ぎゅーっとされながら


「真矢ちゃん、俺の事好きになった?」


抱き締められながらそんな事を聞かれると


「…好きになった」


小さな声でつぶやくように言うしかない。


「俺も好きー」


そう言いながら、私の体を更に強く抱き締める。


もう…お酒のせいなのか夢心地という言葉がピッタリすぎて


幸せとはこういう事を言うんだと実感している。


「真矢ちゃんとずっとこうしてたいなー
でも…、後輩が車で待ってるから
そろそろ行くね。
真矢ちゃん、大好きだからね。
また帰ったら電話するね」


「うん」


離れたくないけど…

こればかりは仕方ないわけで…


「んじゃー」


と言いながら、唇に軽くキスをされ
思わず固まってしまっている私を少し笑いながら

後輩くんの待つ車の方へと帰って行った。
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