運命に従ってみた

「してないけど…かおりちゃんとこで働いてるんじゃないの？」


かおりちゃんって誰だ？


「えっと…誰のこと…？」

「恋(れん)ってスナックじゃないの？」

「あ、うんそうだけど」

「かおりちゃんってママだよ」

「え？あー！ママさん！？何で知ってるの？」

「何でって、かおりちゃんの彼氏と友達だから」

「彼氏？」


もう、初めて聞く事ばかりだ。


「かおりちゃんとバーに来てたから
働いてるんだろうなって。
え？かおりちゃんに俺が働いてる場所聞いてから会いにきたんじゃないの？」


場所？聞いた？会いに？


頭を巻き戻してみる。


うん、そういえば…

最初スーパーで会ったときに

渉が似たような事言ってたような…

たしか荷物重くて、笑いでごまかしてたような記憶も、うっすらあるようなないような…