愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される
この縁談は運命的
ある日の夜。

仕事が終わり、家に帰ってから数時間後。

急に家のチャイムが鳴った。


「はーい」


ドアを開けると立っていたのは、家を出てからほとんど会っていない妹の菜々《なな》だった。

ヒュッ、と身体が冷えていくのが分かった。


「お姉ちゃん、久しぶり!相変わらず、楽しくなさそうな生活を送ってるみたいだね」


いつも通りの棘のある言葉に、身体はさらに冷えていく。


「そんなお姉ちゃんに嬉しいお知らせを持って来てあげたの」


そう言って、菜々は私にメモを渡す。

メモには、日時とこの辺りで有名な高級レストランの名前だけ書かれている。
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