愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される

その後、お母様は私の隣の奏吾に視線を向ける。

「初めまして、滝田さん。この度の縁談は、私の不手際で申し訳なかったわ」

「いえ、私は縁談相手が陽月さんで嬉しかったです」

奏吾さんはそう言って、一歩お母様に近づく。


「我儘で陽月を侮辱する妹さんと違って」


奏吾さんの言葉に、お母様が私に冷たい視線を向ける。


「陽月、貴方、滝田さんに菜々のことをなんて紹介したの？」


「……私は……」


声が震えている私に、お母様はもう一度ため息をついた。


「こんなに可愛い菜々の悪口を縁談相手に伝えて、貴方は一体何がしたの？」

「菜々に醜い嫉妬をするのはやめなさい。恥ずかしい」


私がお母様に怒られているのを見て、菜々は嬉しそうに笑っている。