愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される
「奏吾さん、今度もう一度縁談をやり直しませんか?」

「次は菜々の代わりじゃなくて、『私』と『奏吾さん』の縁談」

「それで……その日、返事をさせて下さい」



私は、奏吾さんの手をそっと握る。

そして、奏吾さんの手の甲に優しくキスを返した。





「……これは予約です」





「陽月が可愛すぎて、一生勝てる気がしないな。でも、俺も限界は近いからね?」




奏吾さんがそっと手で私の口に触れる。





「っ!」





「早くここにキスをさせてね、陽月」





そう言って、微笑んだ奏吾さんはあまりに格好良かった。

本当の縁談までにもっと強くなろう。

自信を持って奏吾さんの隣に立てるくらいに。
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