愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される
「始めは、なんて世渡り下手な子なんだろうと思ったよ。でも、気になって声をかけた。『そのままじゃ上手くいかないよ』って」
「そしたら、陽月は『楽しくないのに、笑えない』って悲しそうに言ったんだ。その時、気付いたんだ。ああ、この子は可愛くない子なんじゃなくて、素直で一番可愛い子だって」
「虐げられても、愛想笑いすら出来ない。虐げられても、ずっと一人で耐えてる。そんな陽月を俺が守って、笑顔でいる場所を作りたいって思ってしまった」
「陽月の笑顔をただ見たかったんじゃない。陽月が笑顔でいられる環境を作ってあげたかった」
「その時、俺はまだ力がなくて、陽月を守ることすら出来なかった。だから、陽月に『待ってて』って言ったんだ。そしたら、陽月はなんて答えたと思う?」
奏吾さんが椅子から立ち上がり、私に近づく。
「『待たない』って。『助けなんか要らない』って強がるんだ。今の陽月と全く一緒。でも、最後に陽月はこう付け加えた」
「『王子様は要らないから、一緒に強くなりたい』って。ねぇ、陽月。今も昔も、俺は君が愛おしくて堪らない。可愛くて可愛くて堪らないんだ」
奏吾さんがポケットから小さな箱を取り出す。
そして、私の手をそっと掴んだ。
「そしたら、陽月は『楽しくないのに、笑えない』って悲しそうに言ったんだ。その時、気付いたんだ。ああ、この子は可愛くない子なんじゃなくて、素直で一番可愛い子だって」
「虐げられても、愛想笑いすら出来ない。虐げられても、ずっと一人で耐えてる。そんな陽月を俺が守って、笑顔でいる場所を作りたいって思ってしまった」
「陽月の笑顔をただ見たかったんじゃない。陽月が笑顔でいられる環境を作ってあげたかった」
「その時、俺はまだ力がなくて、陽月を守ることすら出来なかった。だから、陽月に『待ってて』って言ったんだ。そしたら、陽月はなんて答えたと思う?」
奏吾さんが椅子から立ち上がり、私に近づく。
「『待たない』って。『助けなんか要らない』って強がるんだ。今の陽月と全く一緒。でも、最後に陽月はこう付け加えた」
「『王子様は要らないから、一緒に強くなりたい』って。ねぇ、陽月。今も昔も、俺は君が愛おしくて堪らない。可愛くて可愛くて堪らないんだ」
奏吾さんがポケットから小さな箱を取り出す。
そして、私の手をそっと掴んだ。