愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される
滝田さんが私の顔を見て、嬉しそうに微笑む。

スラっとしたスタイルの良い長身で、整った顔で微笑む姿はモデルのようだった。


「縁談相手は深井さんだったんね。一応、縁談を受けてみて良かった」


「滝田さんは私のことを知っているのですか……?」


「奏吾」


「え……?」

「奏吾って呼んで欲しいな。深井さんには」

突然の申し出に困ったが、今の私は相手の申し出を断れる立場じゃない。

「……奏吾……さん」

「うん。ありがとう、陽月《ひづき》」


っ!

やっぱり奏吾さんは私を妹としてじゃなく、ちゃんと認識している。
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