Keyless☆Night 一晩だけでいいから、泊めて?
うわー、雅貴くんのパパママと会うのかぁ……。

こんな年上女が大事な息子さんと付き合ってるとかって……だ、大丈夫かな?
何か弱み握られてるの? とか、疑われたりしないかな?

思わず、そんな心の声を口にだしたら。
雅貴くんは、ああ……と、何かに気づいたようにうなずいて、私の耳もとに唇を近づけた。

「弱み……は、握られてますよね?」
「へ? あ、ひょっとして」

無類の可愛いキャラクター好きなこと??
確かに、この無表情(かお)からは想像つかな───。

「惚れた、弱み」

耳に注ぎこまれる、透明な低い声音。ややかすれて告げられた息遣いが……やらしいなぁ、もう!

かぷっと()まれた耳たぶが、やんわりと軽く引っ張られたあと、首すじに音を立ててキスされた。

はううぅ……。ズルいよ、雅貴くんは。なんなのその顔で、そのエロさは。
もう、もう、私ばっかり好きすぎるじゃん!

って、胸中で文句を言った、直後。

「───好きです、叶絵さん」
「……っ……!」

たぶん、いま、すごい真っ赤な顔でにらむように見上げてる私に対し、やわらかく微笑みながら紡がれた雅貴くんの言の葉は。
───本当に、ズルい。

キュンじゃなくて、ギュンギュンする胸の高鳴りに従って。
私は、雅貴くんの首の後ろに腕を伸ばす───。



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