Keyless☆Night 一晩だけでいいから、泊めて？

「父さんムカつくけど、最後の一言だけは当たってる」
「ほら、まいさんにそっくり」
「───黙れ」

そこで、雅貴くんとお母様の声がハモった。
一瞬の、間。

「やっ……！」

小さな悲鳴のような叫びをあげ、お母様が私の側にひざまずく。驚く私に向かって、ちょっと涙目で言った。

「やだ、もうっ……ウチの連中、私含めて馬鹿みたいでごめんなさいねっ。
あ、でもね、雅貴は良い子なの。父親はアレで母親はコレだけど、雅貴は良い子だから、嫌わないでやってね！」
「……ええっと……はい。も、もちろんです！」

…………どうしよう…………。
雅貴くんママ、なんかすごい親近感だっ……！
めっちゃ感動した。


私はその日。
これから先、雅貴くんと雅貴くんのご両親と、末永く上手くやって行けるような気がした。



　　　　　　───おわり───


※このあと、雅貴視点の『Side　Ｍ』入ります(笑)