幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
私は翔くんが好きーー。
でも、私だけの気持ちで彼を振り回してはいけない。


『ところで真衣、明日って時間ある?』
「えっ、明日?」


明日は土曜日で病院は休み。4月も後半に近付き汗ばむ日が増えてきたから、薄手のトップスを探しにショッピング予定だったけど……。


『明日時間あるなら、ちょっと買い物付き合ってくれない? 明日は完全オフで、薄手の洋服を探したくて』
「あっ」
『どうした?』

「私も、同じこと考えてたから……」


『そうなのか!』と、笑う翔くん。
まさか、彼と同じことを考えていたなんて驚きだ。


『ならちょうどいいな。一緒に行くか』
「いいの?」

『真衣は婚約者なんだから、当たり前だろ』


なんの躊躇いもなくそう言ってくれた翔くん。けん制のための嘘だとわかっていても、彼と一緒に過ごせると思うと嬉しくなる。


『明日、迎えに行く』
「う、うん。ありがとう」

『じゃあ、また明日な』


そう言って、切られた電話。

どうしよう。
急に、デートの予定になっちゃった。

右手に持ったままの缶チューハイを見つめ、ふと我に返る。こんなことしている場合じゃない。明日に備えて、早く寝ないと。

すぐに缶チューハイを片付け歯を磨くと、私はベッドに潜り込んだ。
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