幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました

翌朝は、いつも通りに起床した。

メイクをして、緩く髪を巻く。桜ピンクのシフォンワンピースを纏うと、白のカーディガンを羽織った。


「変じゃないよね」


何度も何度も鏡の前で念入りにチェックしていると、リビングのテーブルに置いてあるスマホがメッセージの受信を知らせた。


『おはよう。マンションの近くまで来てる』


昨日電話を切ってから、地図アプリで私の住んでいるマンションを送信しておいた。それを頼りに、私のマンションまで迎えに来てくれたようだ。

『おはよう。今行きます』と送信すると、すぐに既読マークが付いたけれど、それ以上の返信はない。

バッグに財布とスマホを入れて、慌てて外に出た。辺りを見回すと、黒光りしている外車が、ハザードランプを点灯させながら停車している。

その車に近付いて助手席側から窓を覗くと、私服姿の翔くんと目が合った。私に気が付いた彼は、窓を開けてくれる。


「おはよう」
「お、おはよう……」
「乗っていいよ」

「う、うん。ありがとう」


ピカピカの車を汚してしまわないよう気を遣いながらドアを開けて、車に乗り込む。

車内もきれいに掃除が行き届いていて、やけに緊張してしまう。


「急にごめんな」
「ううん。私もショッピング予定だったから大丈夫」