幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
「あっ……! 翔くん!?」
「……真衣、すごい可愛い」
「でも、これ……」

「真衣、花嫁みたいだ」


そう言いながら私の手を握る翔くん。

「このまま着て行こうか」と言うと、翔くんはスマートに支払いを済ませてくれた。


「ありがとう、翔くん」
「うん。それにしても、本当に花嫁みたいで可愛いな」


歩きながら私のことをまじまじと見つめてくる翔くんの視線が、なんだか恥ずかしい。

トップスを購入する予定だったけれど、彼の鶴の一声で決まったシフォンワンピースは、本当にウェディングドレスを纏っているみたい。


「それじゃあ、翔くんの服は私が選んでもいい?」
「いや。俺のはいいや。帰ろう」

「はっ!?」


驚いている私のこともお構いなしで、翔くんは駐車場へと足を進める。車に乗ってエンジンをかけると、彼はアクセルを踏んで車を発進させた。

あれ? もしかして私、翔くんの気に触るようなことを言ってしまった……?偽造結婚でしかない相手に洋服を選んでもらうのが嫌で、機嫌を損ねてしまったのだろうか。

幼なじみだからって、少し調子に乗りすぎたのかな……。


「翔くん、ごめんね。洋服、自分で選びたかったよね……」


せっかく久しぶりに翔くんと出掛けることが出来たのに、私のせいで台無しにしてしまった。
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