幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました

男たちの内緒話ーside翔ー

「お前、結婚って本気なのか?」
「冗談でそんなこと言わないだろ」


4月も終わりに近付いたある日。俺は、久しぶりに友人の浜岡と居酒屋に来ていた。

彼もまた別の総合病院で脳外科ドクターとして勤務しており、大学時代からよく飲みに行く仲だ。


「再会してまだ1ヶ月だろ?」
「あぁ。でも、真衣のことは昔から知ってるからな」


そう言いながら、俺は冷えたビールを喉に送った。

確かに、再会して1ヶ月での結婚は早いかもしれない。でも、真衣は家が隣同士だったこともあり、彼女のことはよく知っている。

それに、真衣のことを好きだと伝えずに県外の高校に通うことになり後になって後悔したことは、俺の中で人生最大の過ち。

そう思うほど真衣のことがずっと好きだったし、もう2度と話したくない。白石さんからの嫌がらせから守るなんて、ただの口実だ。


「プロポーズは?」
「正式にはまだだ。彼女のこと、驚かせたいんだがどうすればいい?」


俺の質問に、天を仰ぎながら唸る浜岡。

彼は一応プロポーズ経験者。大学の研究室にいた事務の子に一目惚れしたらしい浜岡は、彼女との交際を経て、後期研修が終わるタイミングでプロポーズしたらしい。

どうやら周りに愛妻弁当を周りに見せびらかすほどの惚れっぷりで、俺は若干引いているが本人には黙っている。
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