幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
今日も、様々な症状で搬送されてきた患者がたくさんいたな……。と、今日の診察のことを振り返りながらソファに横になるとあっという間に深い眠りに落ちた。



「……く…ん! 翔くん」
「んー……」


部屋が明るくなり、真衣が俺の名前を呼ぶ声で目を覚ます。


「ねぇ翔くん、この花束どうしたの……?」


真衣は、ソファの横に置いてあるローズブーケを、不思議そうに眺めている。

……まずいぞ。
当直明けで寝落ちしてしまって、花束も婚約指輪も出したままだ。

ここまですべてが剥き出し状態で、上手い言い訳も思い浮かばない。


「えー……うん。そういうことだよ」
「はっ?」

「結婚しよう、真衣。ちゃんとプロポーズしてなかったから」


小さな箱を開けて、真衣の前に婚約指輪を差し出した。

とりあえず、このシュチュエーションは出来たが、なんとも情けないプロポーズになってしまった。


「真衣、ごめん。本当はもっとちゃんと……」
「嬉しい……!」


そう言いながら、俺に抱きついてきた真衣。

……んん? もしかして、プロポーズはシュチュエーションでなく、気持ちが大切なのか?
シチュエーションにお金をかけてプロポーズすればいいってものでもないのかもしれない。
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