幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
「真衣!?」
「あ……ごめん。ちょっとめまいがして」


おかしいな。日中は平気だったのに。

ストレス? でも、最近は白石さんの嫌がらせも前に比べたら落ち着いているし、ストレスを抱える程ではない。

今まで職場の健康診断で異常を指摘されたこともなかったし、至って健康体なはず。こんな風になったのは、初めてだ。


「真衣。体調悪かったのか?」
「ううん……大丈夫だよ」

「片付けは俺がやるから、今日はもう休んで」


そう言った翔くんは私の身体を支えながら、ベッドルームへ連れて行ってくれた。

今日、翔くんは仕事でクタクタのはずなのに、片付けをさせてしまって申し訳ない。


「ごめんね……」
「謝ることじゃない。今日は休んで、明日病院受診して」


私の頭を優しく撫でながら、翔くんは心配そうに言う。翔くんに抱きしめられたままベッドに横になると、しばらく頭を撫でていてくれた。

その安心感からなのか、徐々に瞼が重くなってくる。やはり、疲労感からのめまいなのだろうか。


「おやすみ、真衣」


瞼にキスを落とした翔くんは、私が深い眠りにつくまでずっと抱きしめていてくれた。


* * *

翌朝。キッチンに立ち朝食の目玉焼きを焼いていると、翔くんがベッドルームから顔を出す。
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